<永久保存版 料理アイデア発想法>
新しい料理を考える時、創作するとき、料理人はどのように考え作るのか?
世の中のヒットメニューと呼ばれるものを作るためには、調理法や味、盛り付けなどの要素だけで人気を出すのはかなり難しく、少なからずマーケティングの要素も関わってきます。、、、ということを理解したうえで、どのように創作料理を生み出すのかについて考えてみました。
新しい料理を作るとき、ある程度経験のある料理人じゃないと、そもそも発想が思い浮かびません。そして、たとえ自分が満足する料理を作れたとしても、お客さん(食べる側)が満足するとは限りません。味が美味しくて、見た目もキレイでも、ヒットするような人気商品になるかどうかは別問題です。
私も含め、多くの料理人は、他の店に食べに行き、良いと思った料理や盛り付けを“真似る”ことで、料理を創作することもありますし、料理本を読んだり、ネットを見たりして、そこからレシピを頂戴して、自分流にアレンジするという手もあります。
料理の経験が豊富であれば、今まで作ってきた料理を思い出し、組み合わせて作ることも可能です。母の味とかの両親が作ってくれた料理や子供のころに食べた料理の記憶からアイデアを生み出すこともあります。
その他には、青果・魚市場に行って、新しい食材を探し料理をつくることもありますが、もし、見たことがない食材が手に入ったとしても、どうしても自分が知っている何かの調理法(焼く、煮る、蒸すなど)で作ることがほとんどです。
ただ、どれをとっても
- 他店の料理
- 料理本
- ネット
- 過去に作ったことのある料理
- 母の味
など、そのほとんどが世の中にすでに存在する料理にちょっと工夫やアレンジを加えて新しく見せている場合もよくあります。
マーケティングの視点から見ると、全く同じ料理でも名前だけを変えて提供することで、人気商品(‘ふりかけ’⇒‘おとなのふりかけ’など)となることもありますが、今回は料理だけに関してお話ししたいと思います。
もし、あなたが日々の調理で、「なにか新しいことがしたい」「変わった料理を作りたい」などと思っているのであれば、最新調理と呼ばれる、ガストロバックや人口イクラ作るような、特殊な調理器具や食材を使って、遊んでみるのも一つの手ですが、今回、ご紹介するのは、自分の頭の中で、発想の転換で、創作料理を作る方法をお伝えします。
オズボーンのチェックリスト
これは、アイデア発想法の一つで、ブレインストーミングという有名なアイデア構築法を発案したA.F.オズボーンの発想法です。以下の9つの視点を使うことで、料理の幅を広げます。
- 転換 新しい使い方は?
- 応用 応用を効かせることはできないか?
- 変更 変えることはできないか?
- 拡大 大きくできないか?
- 縮小 小さくできないか?
- 代用 代用することはできないか?
- 置換 入れ替えることはできないか?
- 逆転 逆にできないか?
- 結合 組み合わせることはできないか?
この9つから、発想します。
一例を挙げると、
テーマ 寿司
-
- 転換 寿司をデザートとして使ったら? ⇒フルーツ寿司・デザート寿司
- 応用 醤油を使わずに食べることはできないか? ⇒レモン塩で食べるなど
- 変更 見た目を変えることはできないか? ⇒ちらし寿司
- 拡大 ネタを大きく分厚くして作れないか? ⇒メガ寿司
- 縮小 ミニ寿司として作ることができないか? ⇒手毬(てまり)寿司
- 代用 別の材料(魚とシャリ以外)で寿司を作ることはできないか? ⇒生春巻きやサラダ巻きなど(寿司と呼べるかは置いといて、、、)
- 置換 寿司の調理・握りパターンを変えることはできないか? ⇒寿司ロボットを使うなど
- 逆転 熱く作ることはできないか? ⇒寿司茶漬け
- 結合 他国の食材や料理と合わせることはできないか? ⇒フォアグラ寿司など
これらのほとんどは、寿司ができてから、改良を重ね、先人たちがもうすでに考え出しているお寿司の発明料理です。このように考えると、思いもよらないアイデアが生まれることもあります。
例えば、盛り付けで、ワイングラスの中に料理を盛り付けていたものを逆転の発想で、グラスをさかさまにして、グラスの底を上にして、その上に料理を盛りつけたりする料理も、すでにどこかのレストランでは提供されています。
または、ワイングラスを逆さまにして、その中に食材と燻製スモークを閉じ込めたりなど、‘逆転’の場合、その言葉通り真逆にしても面白いかもしれません。
その他、‘結合’の場合、海外の食材との結合で、昔はお寿司とアボカドなんて考えられないと思われていたものが、今では一般的に食べられるものとなっています。
さらに、9つの視点を元に具体的な質問リストを載せてみました。(*マーケティングの要素も若干入っています)
具体的な質問リスト
1.転用
・新しい使い方はないか?
・他の分野での使い道はないか?
2.応用
・他のアイデアから応用できないか?
・似た商品のアイデアを使えないか?
3.変更
・見た目を変えられないか?(色・形・デザイン)
・意味を変えられないか?(動き・印象)
・その他の感じ方を変えられないか?(匂い・音・感触・味)
4.拡大
・大きく、長く、強く、厚く、濃くできないか?
・地域、客層を広げられないか?
・付加価値を付けられないか?
・頻度・回数を上げられないか?
・ボリューム、調理工程を増やせないか?
5.縮小
・小さく、短く、弱く、薄くできないか?
・減らせないか?
・地域、客層を狭くできないか?
・頻度・回数を下げられないか?
・ボリューム、調理工程を減らせないか?
6.代用
・他で代用できないか?(物・人・器具・食材・器・方法)
・外、家、仕事場で使うことはできないか?
7.置換
・配置、パターン、やり方を入れ替えられないか?
・人、パーツ、順序を入れ替えられないか?
・原因と結果を入れ替えられないか?
8.逆転
・上下左右、プラスマイナス、順番を逆にできないか?
・弱みを強みにできないか?
・不便を便利にできないか?
・やり方、考え方を逆にできないか?
9.結合
・何かと組み合わせられないか?
・セットにできるものはないか?
・利用シーンや体験と組み合わせられないか?
・真逆のものと組み合わせられないか?
・アイデアを組み合わせられないか?
ここまで考えると、何かしら新しいアイデアがひらめいてきませんか?
さらには、少し強引ですが、以下の○○○に言葉をあてはめることで、そのもの自体が違って見え、新しいアイデアが思い浮かぶこともあります。
〇〇〇のアイデアリスト
1.転用:他の使い道
〇〇〇の未来はどうなっているか
〇〇〇をアプリにしたら
〇〇〇を別の場所で使ったら
〇〇〇をゲームにしたら
〇〇〇の王道を外れたら
〇〇〇をあなたが使ったら
2.応用:他からアイデアを借りる
〇〇〇に似た商品・モノの真似をしたら
〇〇〇は昔はどのように使われていたか
〇〇〇を‘あの人’ならどうするか
〇〇〇を共有したら
〇〇〇を他分野はどうしているか
3.変更:変える
〇〇〇の見た目を変えたら
〇〇〇の意味を変えたら
〇〇〇の価値を変えたら
〇〇〇を激しくしたら
〇〇〇の売り場を変えたら
〇〇〇のデザインを変えたら
4.拡大:大きく
〇〇〇を長くしたら
〇〇〇を重くしたら
〇〇〇の回数を増やしたら
〇〇〇の材料を増やしたら
〇〇〇の成分を増やしたら
〇〇〇を倍にしたら
〇〇〇の客層を広げたら
5.縮小:小さく
〇〇〇の回数を減らしたら
〇〇〇の範囲を狭くしたら
〇〇〇の意味合いを狭めたら
〇〇〇を半分にしたら
〇〇〇の市場を絞ったら
〇〇〇のデメリットを小さくしたら
〇〇〇の要素を削ったら
6.代用:他のモノに代える
〇〇〇を他の材料で代用したら
〇〇〇を持ち歩けないか
〇〇〇をネットで使えないか
〇〇〇のリスクを代えたら
〇〇〇を偽物にしたら
7.置換:入れ替え
〇〇〇の盛り付けを入替えたら
〇〇〇の時間を入替えたら
〇〇〇のパターンを入替えたら
〇〇〇の調理法を入替えたら
〇〇〇の場所を入替えたら
〇〇〇を誰かと交換したら
8.逆転:逆にする
〇〇〇と×××の順番を変えたら
〇〇〇の上下を逆にしたら
〇〇〇を主観的に考えたら
〇〇〇の客目線で考えたら
〇〇〇のデメリットを肯定したら
〇〇〇を捨てたら
〇〇〇の不便を便利にしたら
9.結合:組み合わる
〇〇〇と×××を組み合わせたら
〇〇〇に似たものと組み合わせたら
〇〇〇の今と過去を組み合わせたら
〇〇〇と利用シーンを組合せたら
〇〇〇を×××ユーザーが使ったら
〇〇〇に体験を組合せたら
このアイデア発想法を元にした、商品名を入力しただけですぐに結果が出る面白いサイト(アイデア生産ツール)も紹介しておきます。http://www.idea-plant.net/
以上、あなたも色々考えてみて、面白い料理・商品を発明してください!!(^^♪